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LA:2008-02-26 14:58 |
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日曜日の夜に、第80回目のアカデミー賞授賞式が行われました。
昨年の11に始まったライターズ・ギルドの労働ストライキが3ヶ月に渡って続いていたので、1月に開かれたゴールデン・グローブ賞の授賞式は発表だけで終わり、アカデミー賞の授賞式もレッドカーペットもテレビ放映もないままに終わるのではないかと懸念されましたが、ストライキが妥結して、今年も華やかに行われました。
でも、視聴率は、これまでで最低だったらしいです。
受賞した役者さんは、アイルランド、イギリス、スペイン、フランンス人とみんなノン・アメリカンで、それぞれのスピーチは、ユーモアがありユニークでした。特に、『La Vie En Rose』で主演女優賞を獲得したマリオン・コティヤールのスピーチは、チャーミングでした。アメリカ人の役者さんの多くは、受賞のスピーチに、自分のエージェントや弁護士の名前とプロデューサーやスタジオのエグゼキュティブの名前を羅列するので、つまらない戯けごとを聞いているようで興ざめですが、ヨーロッパ人は、賞をもらって同じように大喜びをしますけれど、アメリカ人のように真剣になりすぎないところが、観ていて面白みがあります。
レッドカーペットでのガウン姿は、相変わらずペネロペ・クルスがゴージャスで、ベスト・ドレッサー。主演男優賞をとったダニエル・デイ・ルイは、へんなタキシードとピヤスと、おばさんのような髪型で、ワースト・ドレッサーに選ばれてしまいました。
みんなが一番喜んで観てたのは、映画「ONCE」(一千万円で3週間かけて撮ったイギリスのインディー映画)の主演の男優と女優がオリジナル・ソングでオスカーを受賞したときでした。男優さんがしゃべってから女優さんのほうがスピーチをしようとしたら音楽が流れてカットされちゃったのね。私も友達の家で観ていて、「まあ、失礼な!アカデミー賞も、随分と品格を落としたわねえ」って憤慨してしまいました。すると、コマーシャルの後で、司会のジョン・スチュアートが彼女を舞台に呼び戻して、「すきなだけスピーチをどうぞ」って。そして、彼女は短いけれどメッセージのこもった素敵なスピーチをしたので(やはり、アメリカ人ではないので)盛り上がりました。
主演女優賞は、マリオン・コティヤールがとって嬉しかったですね。『La Vie En Rose』(バラ色の人生になるのかな?)はご覧になりましたか?彼女、素晴らしいんです!エディット・ピアフの20代から50代までを演じるんですけれど、 そのトランフォメーションが見事です。この映画のメイクさんもオスカーを受賞しました。
作品賞をとったコーエン・ブラザーズの映画『No Country for Old Men』は、熱狂的に好きではないですが、おもしろい映画です。私のおすすめは、ダニエル・デイ・ルイスの取り憑かれたような完璧な役作りに恐れ入ってしまう『There will be blood』と、『La Vie En Rose』。それと、ノミネートは逃しましたが、ショーン・ペン監督の『Into the Wild』(おじいさん役の役者さんが、助演男優賞にノミネートされていました)がとてもよかったっです。
『Into the Wild』は、「なんのために人は生きてるんだろう」の答えを求めてロードトリップに出かける青年のお話です。実話なので、とても共感できる部分があって胸に響いてきました。私も、もっと若くて勇気があったら、この主人公みたいに行動したいなあって感じました。映画のなかで、彼の書き残した文章が紹介されるのですが、“一文無しのときのほうが、僕の人生はよりエキサイテングに思える”っていうのがあって、ドキリとしました。お金や物に頼ったり、先のことを考えてあてにするのではなく、今この瞬間をしっかり地に足をつけて生きている人だけが得られる喜びを、彼はそう表現したからです。機会があったら、是非観ていただきたい映画です。
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